2006~2010のイタリア周辺やウサギやクルマや諸々の話。2018~は愛する老ワンコとインドに移住中。時々絵日記。リンクフリー。
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多い少ないの時期はあるものの、わが町には”物乞い”をする人々が
毎日のようにいる。
彼らはひとりか数人で郵便局やスーパーの出入り口に立ち、
楽器をひいたり、手を出して拙いイタリア語(もしくは母国語?)で
お金を恵んでくれるよう、歩く人々に声をかける。
先日、うちから一番近いスーパーで娘と買い物をして出たところで
突然幼稚園くらいの男の子に声をかけられた。
かわいい帽子をかぶり、身なりも割りと小奇麗だったため、それが
物乞いしているとは判らなかった。
すぐ近くに母親らしき女がいて、しきりに子供に何かいっていた。
そして男の子はその女から何か言われる度に私たちに何か話しかけ
手を出すのだった。
女の足元にはこのスーパーのマークの入った大きな買い物袋があった。
ワタシは愛嬌のある笑顔の男の子と、しかめっ面の母親らしき女が
あまりにも不釣合いで、ふたりをしばしぼんやり眺めた後で我に返り
男の子に「Cosa(コーザ/何)?」とイタリア語で話しかけてみた。
すると男の子も母親もモジモジし始めたので、こちらもどうしていいか
わからず困っていると、後ろから出て来たイタリア人に男の子も母親も
注目したので、そのままワタシは娘と立ち去った。
帰り道、娘とそのことについて少し話した。
ワタシたちが目にしたことのある物乞いの人々と今日の親子?は
なんだか雰囲気が違った。
それでも、いつもこういう時は複雑な気持ちになる。
お金を渡すべきなのか、渡すべきでないのか。
本当は話がしたい。彼らのことを知りたい。
でも・・・ワタシは彼らに近づいてもいいのだろうか。
そんな資格があるのだろうか。
お昼のニュースで移民のデータのようなものが流れた。
違法でイタリアに入国する外国人も後を絶たず、その数は年々増える。
取締りが厳しくなってもなお、外国人女性の売春は続く。
北からも南からも、陸路からも海路からも、イタリアに移り住もうと
する様々な国の人々。
場面が変わり、ワタシが訪れたトリノの違う顔がテレビに映った。
荒れた空き地に群れを成すバラック。
もう走れそうにないボロボロのキャンピングカーに住む家族たち。
日本でノホホンと住んでいたままではきっと体感できなかった
イタリアの、そして世界が持つ憂いのひとつだ・・・
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